具体的なデータで議論しよう
Web のフロントエンド開発や、Figma でデザインを議論するときに、
よく「ここにテキストが入ります」といったモックデータを配置して進めることがあります。
しかし、想像力を高めて気づきを得る という意味では、
そこに「実際に入りそうな具体的なデータ」を置いて会話した方が、
議論の精度もスピードも上がりやすいと感じています。
なぜ具体的なデータを使うべきか
たとえば、管理画面のブログ記事一覧ページを設計するとします。
- ブログタイトル
- PV 数
- 公開日
- 著者情報
といった項目が並ぶ典型的な一覧画面です。
このとき、タイトルに
- 「ここはタイトルが入ります」
- 「サンプルタイトルです」
PV 数に
- 「9999」
のような架空データを入れるよりも、
- タイトル: 「CSS の技術 Tips 集」
- PV 数: 652
といった “実際にありそうな数値や文言” を入れた方が、
画面のリアリティが一気に高まり、議論が自然と深まりやすいと感じています。
具体的なデータを使うことで得られるメリットは次のとおりです。
- 議論のベースラインが揃う
- 参加者全員のイメージが自然と一致しやすい。
- 会話が発散しにくい
- 特定データに縛られすぎないことは前提としても、方向性が定まりやすい。
- ユーザー体験のイメージが明確になる
- 不要な要素を削ぎ落としやすく、文言や動線の妥当性にも気づきやすい。
もちろんデザインでは最大・最小サイズなどのケースを考慮する必要がありますが、
UX や仕様の議論では「具体的なデータ」の方が向いているかと思います。
時系列も一緒に考えると、より深い設計になる
さらに、データそのものだけでなく、時系列(過去・現在・未来)を想定して会話すると、
設計の精度は格段に上がります。
- 「初期はデータが少ないけれど、将来的に増える可能性は?」
- → 並び順や表示件数、ページングの必要性が見える。
- 「セミナーなどを申し込んだ後、画面はどう変化する?」
- → 状態遷移やステータス表示の設計が明確になる。
- 「処理中にキャンセルをしたい場合は?」
- → 戻り動作やエラーハンドリングの検討につながる。
また、どのロールのユーザーがどのような状況で使うのかも合わせて考えると、
仕様の抜け漏れが減り、議論の解像度も高まります。
可能なら、自分がその画面のユーザーであるかのように想像して話すと、
さらに現実的な議論がしやすくなると思います。
終わりに
私はこの考え方で、プランニングやデザインの議論を進めていました。
ぜひ、皆さんも試してみてください。