結局は、人の熱に動かされる
昔、引越し先を探していたとき、気になる賃貸物件を6件ほど見つけ、不動産会社へ問い合わせをしました。
希望している設備や周辺環境を満たした物件ばかりで、あとは細かな条件次第という状況でした。
問い合わせ自体はメールで完結します。
住宅情報サービスから問い合わせると、不動産会社から
「◯◯物件のお問い合わせありがとうございます。内覧をご希望の場合は候補日をお知らせください」
といった返信が届きます。
ですが、私は現住所から引越し先までの距離がかなり遠かったため、内覧は1日に3件ほどに絞りたく、慎重に進めていました。
そこで、内覧前に「洗濯機やエアコンの設置面積を知りたい」と質問していたのですが、
- まだ入居中で確認できない
- 内覧時に見てほしい
- オーナーに聞かないとわからない
といった回答が多く、判断材料が不足していました。
そんなとき、ある不動産会社からこんな返事が届きました。
「今から物件を見てきますので、後ほど写真と寸法をお送りしますね」
空室だったこともあり、その方はすぐに現地へ向かい、
洗濯機置き場・エアコン設置場所の写真、手書きの寸法、ホースの取り回しの注意点まで丁寧に送ってくれました。
もともと条件はどこも大きく変わらず、決め手に迷っていたのですが、
この一件で心が決まりました。
心理学でいう「返報性の原理」に近いのかもしれませんが、
それ以上に “相手の親切さや熱量” を感じて、そこに動かされたのだと思います。
好きなものについて情熱を持って語る人の言葉は、不思議とすっと心に入ってきます。
ただ情報を並べるだけではなく、その人の「熱」が伝わってくるからです。
逆に、自分が誰かに動いてほしいときも同じだと思います。
理由や背景を整理し、なぜそうしたいのか、自分の「熱」を込めて伝える。
そのほうが、きっと相手の心に届くはずです。