Sジブンノート

AIが生成したCSSをレビューしよう

AIが生成するコードは、必ずレビューしましょう。
この記事では、AIが生成したCSSをレビューする際の7つのポイントを紹介します。
CSSのレビューをする際に参考にしてください。

1. 不要なプロパティが含まれていないか

生成されたCSSには、必要のないプロパティが追加されることがあります。
よくあるのが box-sizing: border-box です。
これらは多くの場合、グローバルCSS などで定義済みです。

NG例

.card {
  box-sizing: border-box; /* グローバルで定義済み */
  padding: 16px;
  border-radius: 8px;
}

OK例

.card {
  padding: var(--space-md);
  border-radius: var(--radius-md);
}

意味を理解せずに残してしまうと、冗長で保守性の低いCSS になります。
削除してもデザインが崩れないなら、思い切って消しましょう。
意図がある場合は、そのまま残しても構いません。

2. セレクタ名が適切か

Tailwind CSS を使っていれば気にしなくてよい部分ですが、AIがCSSファイルを生成する場合、セレクタ名 も確認しましょう。

  • プロジェクト内の命名規則に沿っているか?
  • 意味が曖昧な名前(例: .main-style)になっていないか?

NG例

.productCardHighlight { ... } /* ドメインに依存しすぎ */

OK例

.card { ... } /* 見た目の特徴を表す */

ドメイン固有の語(例: “product”, “user”)を混ぜると、将来的に仕様変更が入った際、セレクタ名の修正が必要になります。
デザイン的な特徴を表した名前にしましょう。

3. データ可変・レスポンシブ対応を確認しよう

AIは「静的な状態」を前提にコードを出力します。
しかし実際のWebページでは、テキスト量や要素数が変化します。

  • タイトルが2行になったら崩れないか?
  • リストアイテムが10個になってもレイアウトが保てるか?

NG例

.list {
  display: flex;
  gap: 8px;
  width: 400px; /* 固定長は危険 */
}

OK例

.list {
  display: flex;
  flex-wrap: wrap;
  gap: var(--space-sm);
  max-width: 100%;
}

Storybook を使っている場合は、以下のアドオンを使って動的にデータ数を変更しながら、デザイン崩れしていないか簡単に確認できるのでおすすめです。

4デバイス(モバイル / タブレット / ラップトップ / デスクトップ) で最低限の表示確認を行いましょう。

4. デザイントークンを使っているか

AIは数値を直接書きがちです。
2px16px のような値が並んでいたら要注意です。

NG例

.button {
  padding: 8px 16px;
  font-size: 14px;
}

OK例

.button {
  padding: var(--space-sm) var(--space-md);
  font-size: var(--font-size-sm);
}

トークンを使うことで、一貫したデザイン を保ちましょう。

5. flexbox と grid の使い分け

AIが生成するレイアウトコードは、たいてい flexbox 一辺倒 です。
しかし、構造によっては grid のほうが適しています。

どちらが適しているかは、以下の記事を参考にしてください。

NG例

.gallery {
  display: flex;
  flex-wrap: wrap;
}
.gallery img {
  flex: 1 0 33%;
}

OK例

.gallery {
  display: grid;
  grid-template-columns: repeat(auto-fit, minmax(200px, 1fr));
  gap: var(--space-md);
}

また、flex-grow を指定したら flex-shrink も忘れずに設定しましょう。
圧縮時の崩れを防ぎます。

6. CSSの詳細度を意識する

AIは複雑なセレクタを生成しがちです。
詳細度が高すぎると、後から上書きが難しくなります。

NG例

.main .card > h2.title { ... }

OK例

:where(.card:has(.title)) {
  background-color: var(--surface-accent);
}

:where() は詳細度を0にできる便利な疑似クラスです。
他にも :is():has() など擬似クラスを活用して、柔軟なスタイル指定をしましょう。

7. カスタムプロパティで値を共通化しよう

同じ意味の値を複数箇所で使っている場合は、カスタムプロパティで共通化しましょう。

NG例

.box {
  margin-left: -4px;
  margin-right: -4px;
  width: calc(100% + 8px);
}

OK例

.box {
  --gutter: 4px;
  margin-inline: calc(-1 * var(--gutter));
  width: calc(100% + var(--gutter) * 2);
}

また、@property を使えば型や初期値を厳密に定義できます。

@property --gutter {
  syntax: '<length>';
  inherits: false;
  initial-value: 4px;
}

まとめ

AIが生成したCSSのレビューで、スルーされることが多いので、ぜひレビュー時のチェックポイントとして活用してください。
もしくは、プロンプトチューニングの参考にしてみてください。